昭和38年のある日、信州松本の片田舎、蕎麦屋の暖簾を 二人の初老の紳士がくぐった。一人は「信州松本の民芸家具の創始者」 池田三郎氏。もう一人は「大原美術館の創始者 大原孫三郎」の後継者 であり「倉敷紡績社長」の大原總一郎氏。そしてこの人こそが "あずみそば"の歴史を創った人物である。大の蕎麦通として全国津々浦々、 旨いと言われる蕎麦を食べ歩いていた大原氏にとって、地元倉敷に 本物の蕎麦屋を作り、いつでも大好きな蕎麦を食すのが 永年の夢であった。しかし、求める蕎麦に巡り合う機会がないままに、 松本の間口一間程の蕎麦屋に入った。そこで「これこそが自分の探 し求めていた味だ」と、気が付けば六枚の盛り蕎麦をたいらげていた。 これが大原氏と"あずみ"の出会いである。
こうして約二年間に渡る倉敷への誘い・・・。決して無理強いは せず、三顧の礼をもって先代夫婦を遇し、ようやく昭和41年6月、 倉敷美観地区に先代の出身地、信州"安曇野"の地名から名付けた 「あずみそば」が誕生した。
それから40年余り、大原氏のこだわりの味は、先代そして二代 目へと受け継がれ、頑なに「本物の手打ち蕎麦」の味を守り続け ております。 そして平成17年3月、創業50年を機に、京都市中京区御幸町 に京都店を開店。お客様お一人おひとりに、手打ち蕎麦本来の 「食感や喉ごし」を楽しんで頂き、あの時の大原氏と同じ気持 ちを感じていただければ幸いに存じます。
京都店・倉敷店共々末永くご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。 二代目 店主
尚、店内のテーブル・椅子は、「信州松本民芸家具」を使用しています。