ベルリンの至宝展
来館日時:4/27
場所:東京国立博物館
父と行きました。私がギリシャ・ローマ彫刻を興味津々で見ているのに、うちの両親は彫刻にあんまり興味がないようで…
クレオパトラはこんな顔だったらしい↓

思ったほど「美人!」っていう感じではありませんね。今のところ出土しているエジプト女性の肖像ではネフェルティティが一番美しい(主観的なものなので好みでしょうが)のだそうで、ネフェルティティのちっちゃいやつもエジプト部門に展示してありました。でもクレオパトラは一応理想化された彫刻とはいえ、ちょっと性格の強さとか老獪さがうかがえるような感じが…
こちらローマ最後の神様、アンティノウス↓

アンティノウスを生で見たのは初めてです。大英博物館のアンティノウスについてテニソンがいろいろ書いているので期待していたのですが、この彫刻はそれほど神秘的でもないような…アンティノウスは美少年の姿をした神様なんですけどね。
コインコレクションや中世美術に関してはあんまり印象に残る作品はなかったです。
次はイスラム美術でしたが、コーランの古い写本とかが来ています。↓

イスラム写本というのはヨーロッパ中世写本顔負けの細密描写をするんですねー。とくに右側のものは活気ある人々の姿が細々と描かれていて、近くで見ると楽しいです。こういうものは初めて見たのですごく興味深かったです。こういうものは日本ではあまり目に触れる機会がないので見る価値があります。
さて、ヨーロッパ古典美術。
さすがにドイツなのでこのへんはコレクションが充実しています。
今回の売り@ラファエロの聖母子↓

マリアはお勉強中らしく、本を読んでます。育児マニュアルなのか神学関係の本なのかはわかりませんが、聖書をイエスに読み聞かせてやってるのかもしれませんね。幼児に対する読み聞かせの重要性を示唆している絵だということで…そんなに好きな絵ではありませんが、まあそういうことにしときましょう。
今回の売りAボティチェリのヴィーナス

このヴィーナスは恥じらいや慎みを示しているそうですが、どうだか。ヴィーナスだから案外作戦なのかもしれませんよ。
ヨーロッパ古典絵画で私が一番好きだった絵はこちらです↓

この絵はたいそう長い名前で、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン作『名声の寓意に扮した王子ヘンリク・ルボミルスキの肖像』。ヴィジェ=ルブランはフランス新古典主義の画家らしいです。新古典主義に批判的なわたくしではありますが、この絵はすっごくかわいい…と思うのですが。王子さまは両性具有的な天使の姿をしていますが、矢筒を持っているところを見るとキューピッドかもしれないようです。お腹がちょっとたるんでぷくぷくしているところとか、子供らしい愛らしさに溢れているし、筋肉や足の指なんかまで詳細に描かれていてすごい観察力です。子供のくせに妙にぼうっとした恍惚的な表情をしているところを見ると、やっぱり純情な天使じゃなくて恋を運ぶキューピッドなのかもしれません。
ヨーロッパ現代絵画は、マネの大作『温室にて』がきています↓

マネの特徴は鑑賞者が完全な覗きのポジションにくるという点らしいのですが、この絵もたしかに「あっ、プライヴェートなところを見ちゃった!」みたいな感じではあります。他の絵は陰鬱なドイツ絵画が多いので、バーンと一枚目立つところに別格で飾ってあるこの絵は異色。遠くから見てもすぐ「あ、マネだ!」とわかるようになっており、一画だけフランスな感じでちょっと浮いています。
他の絵はこんなんばっかりです↓

ベックリン『死神のいる自画像』。暗い…ですが、たぶんこの芸術家は後ろの死に神に魂かなんかを売り渡して絵を描いているんでしょう。この他にニーチェの絵もありましたが、画像が発見できませんでした。近代絵画はこういう哲学的かつ暗いのが多く、あまり楽しいという感じではありません。
全体的な感想としては、とにかくいろんなものが楽しめる内容だったと思います。今ベルリンの博物館は改修中みたいなので、だからこそ世界各地に展示品を回すことができるんでしょう。横浜でやってるルーヴル展にはあまり大作が来ておらず、アングルの一発芸みたいな感じがありましたが、この展覧会はそれに比べて時代ごとに少しずつというコンセプトなので幅広い知識が得られます。そのぶん一時代の特徴をじっくりとらえるというところまではいかないようになっていますが、それはまあ仕方がありませんあと、コインコレクションはあまりにマニアックだと思いますが、たぶんそういうものは抱き合わせでやらないと誰も見に来ないからしょうがないんでしょうね…
戻る