中世の聖杯展
来館日時:失念
場所:国立西洋美術館
西洋美術館の常設展にあるロセッティの『愛の杯』って絵、見たことないですか?いかにもラファエロ前派ふうの神秘的な感じの美女(たしか『ベアータ・ベアトリクス』と同じモデルで、ロセッティの不倫相手だった人)が中世の貴婦人に扮して金の杯を持ってる絵です。あの女性はわたしはあまり好きではないのですが、聖杯っていうのはまああんな形の金の杯です。
この展覧会はドイツの教会に保存されていた、祭礼用の金の杯が主な展示品。金工のことはさっぱりわからないので詳しい加工の説明とかは読んでいて頭が痛くなってきそうでしたが、金細工の細かさや美しさは単純に見ていて面白いし、とくに最後の部屋に展示してあった、日常生活に出てくるようなものを装飾に彫り込んだ金の杯はとてもおもしろく、当時の人の暮らしぶりが想像できました。ただ私は宝石とか金とかピカピカ光るものがいかんせん好きではない…金の杯は古くなっているので派手に光っているわけではなく、すこし禿げたり壊れたりしているところがかえって荘重な歴史の重みを増している感じで、工芸品として渋くていい味を出しているなあと思いましたが、たぶん作りたてのピカピカの杯を見たらいくら祭礼用の神聖な品でもあまり感動しないんじゃないかな…と思いました。新しいピカピカのものよりも古くて人が使い込んだあとのあるもののほうが美しいと思います。
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