富嶽三十六景展
来館日時:9/25
場所:太田記念美術館
原宿の静かな裏通りにあるエアポケットのような美術館です。原宿っていうのはいつも人が溢れてるのに、一本入ると静かだっていうところが不思議ですよねぇ。
で、今回は抽選でチケット当てたのでタダ。富嶽三十六景全部見られるなんてそんなにないので、楽しみに行きました。日本でも全揃い持っている美術館は少ないらしいです。それに浮世絵は大変光に弱いので、三週間以上は展示できないそうです。展示もかなり気を使っているようで、ガラスで防護して照明も落とし気味でした。
で、やっぱり富嶽三十六景ってどれもすごいんですね…似通った構図とかがほとんどなくて、どれも独創的なんですよ。一番有名なのは例の『神奈川沖浪裏』で、これもすごいと思いますが、これなんかもいいですね↓

『凱風快晴』。いわゆる赤富士というやつで、有名どころです。
この展覧会で一番すごいと思ったのがこれ↓

『尾州不二見原』。あれ、富士はどこ…?って、桶の中後方を見て下さい。実物はでかいのですぐわかるのですが、桶の輪の中に富士が見えるという構図なのですよ。これはちょっと普通は考えつかないような奇抜な構図ですよね…私の解釈ではこの桶屋は北斎自身で、自分はちっちゃな作品の中に壮大な富士の風景を取り込めるんだぞっていう気合いを桶の中から富士が見えるという構図で表現しているのではないかと思います。浮世絵なんていうのは今でいうコミック雑誌みたいなもんで描き手もゲージュツカ扱いはされていなかったようですが、桶みたいな卑近なものから全世界が見えるというこの構図からは、「お前らはオレがつまんねーもの描いてると思ってるだろうが実は気合い入れて世界を相手にしてんだぞ!」みたいな印象を受けます。
三十六景の他に校合用の版や同時期の他の作品も見ることができ、かなり充実しています。一階展示室には屋内庭園もあり、椅子に座って休めます。地下室には手ぬぐい屋を併設。なかなかいい美術館です。
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