ゴッホ展
来館日時:4/23
場所:東京近代美術館
日本人はゴッホが好き、ということで、超超超大混雑です!土日には絶対行かないほうがいい。平日の早朝か、夜間開館時をお勧めします。東京駅丸の内南口から無料シャトルバスが出ているということで行ったのですが、まずバスからして乗車30分待ち。美術館に着いたら今度は近代美術館の前にうねうねと折り返したおっそろしい長蛇の列が…ということで一時間待ちです。チケット切る人もてんやわんやで、結局作品目録のパンフをもらいそこねました。待っている間に持ってきた本三冊読めました。
ということは、中も大混雑。背が小さいので大変です。今回の展覧会はゴッホの絵以外にも同時代の影響を与えあった絵やゴッホの所蔵品なんかも展示するということで、かなり教育的な展示になっています。
ということで、『古靴』↓

この絵については様々な研究があるそうで、デリダやハイデッガーのコメントをつけたパネルが貼ってありました。まあデリダが言ってることなんか私ちっともわかんなかったですけどね。それに私、この絵はなんだかただの靴に見えて、あんまり読み心をそそられませんでした。どうしてでしょう。
↓『黄色い家』。ゴーギャンとアルルで住んでたおうち。

これは比較的幸せな感じの絵でしたけど…でもけして底抜けに明るいわけじゃない。
↓今回の目玉の一つ『夜のカフェテラス』

これも比較的幸福感のある絵でしたねぇ…写真だとよくわからなくて暗い感じの絵なのかなぁと思っていたんですが、現物を見ると全然違います。人は影みたいに描かれているんですが、夜なのにあまり暗い感じがしなくて、親しみの持てる絵です。でも空の星の処理がやっぱり『星月夜』とかと似て大きく広がった描き方になっています。でもこの絵に関しては星も花が開いているようで、カフェテラスを見守っているようなやさしい感じがする。
↓またまた今回の目玉の一つ『芸術家としての自画像』

解説に書いてありましたが、たしかにレンブラントの自画像みたいかもしれない。でも注目すべきは右腕とほとんど一体になっているパレットだと思います。絵画に関する気合いが伝わってくるというか…パレットの上を絵の具が鮮やかに走っているので一瞬腕が傷ついているみたいに見えるところもミソですね。
↓ミレーの『種まく人』の模写。

ミレーとは光の処理が全然違います。なんか神話的というか神秘的というか…やっぱりリアリズムに徹していないところがいいと思います。
この後『ルーラン夫人』の絵があって、以前損保ジャパンの「三幅対」(←これは信憑性についていろいろたたかれていましたけど)で見たような気がするのですが、ゴッホはたしかルーラン夫人は数枚描いているはずなので同じものかどうか思い出せず。まあまた会ったねルーラン夫人ということで、一応あいさつしておきました。
↓私の大好きな『糸杉と星の見える道』

ここまでは普通に見ていたんですが、不覚にもこの絵の前に立ったとき泣きそうになったので逃げました。
『星月夜』ならニューヨークのMOMAで見てその時も泣きそうになったんですが、やっぱりこの星空のぐるぐる渦巻きはちょっとうちの心をとらえて離さないものがありまして、何度見ても感動します。すごいです。一度でいいからこんなふうにものが見えたいです。描けなくていいから。糸杉は死の象徴ですけど、だから何だというんでしょう。
ということであとはちゃちゃっと見て、ぐるぐる渦巻きに飲み込まれないように逃げたんですが、他の画家の絵もたくさん展示してあって面白かったです。とくにシニャックの『糸杉』(←とってものどかで色の処理とかも巧妙。全然ゴッホと違う!絵はがき買いました)とモネの『レインスブルク近郊のチューリップ畑と風車』(モネにしてははっきりしていて色鮮やか)がよかったです。
全体的には、一つの作品をメインにするだけではなく様々なゴッホの代表作を見せようというコンセプトなので飽きないし、他の画家との影響関係も実によくわかってよい展示でした。ただデリダやハイデッガーなんかを持ち出してくるのはちょっと衒学的だし、教育的すぎて興ざめな感じがしました。ゴッホの作品はとくに解説を必要とするほど難解ではないと思うし、必要以上に「こう見なさい」「ああ見なさい」というのは、作品がこれだけ素晴らしいのだからお節介だと思います。でも行って損はないです。
あと日本人はなんでこんなにゴッホが好きなのかということですが、その点はちょっとわかりません…たぶん自然とひたすら向き合ってその姿を鮮明にとらえようという姿勢(見るだけではなく自然を内面化して描こうとするところ)が伝統的な日本絵画のスタイルと似ているのかもしれませんねぇ…北斎とか水墨画の梅とか。よくわかりませんけど。
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