ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展
来館日時:4/27
場所:国立西洋美術館
ジョルジュ・ド・ラトゥールは最近再発見されて人気上昇中の画家ですが、真作はほとんど残っておらず、まとまった展覧会をするのは難しいらしいです。なので今回の西洋美術館は結構気合いの入った展示をしています。
とはいえ真作が40枚程度しかないので、今回の展覧会では模作が大いに活用されています。真作が戦災で失われたため、もとのラ・トゥールの絵を探るためには弟子や後世の画家が習作・複製として描いた模作を研究するのが不可欠だそうです。かの有名な『大工の聖ヨセフ』(ルーヴル所蔵のお宝。老人ヨセフが子供のイエスと大工仕事をする様子を描いたもの)も模作が展示されています。もちろんルーヴルの本物を見たわけではないので詳しいことは言えませんが、カタログで真作を確認したかぎりでは模作のほうがちょっとイエスの表情が硬いかな…という気がしました。まあ気のせいかもしれませんが…
ラ・トゥールの絵はほとんどが暗闇を背景にろうそくやランプの光だけで描かれています。ということは微妙な明暗が勝負なので、画像ファイルにとりこんじゃうと画面の色調が失われて魅力が半減します…例えば
『荒野の洗礼者ヨハネ』↓
何が何だかさっぱりわかりませんが、本当は左側にかわいい羊がいます。
『書物のあるマグダラのマリア』↓
こちらもよくわかりませんが、マグダラのマリアは骸骨を持って死について瞑想しています。マグダラのマリアは罪の女からキリストに忠節を尽くす信仰の人に生まれ変わったということで中世から人気のあるキャラクターですが、戦災のたえなかった17世紀にも瞑想的なキャラクターとして好まれました。顔がほとんど見えないのに深い内面性を感じさせるところがすごいと思います。
ところが…

上は『ダイヤのエースを持ついかさま師』
この絵はラ・トゥールとしては珍しく昼の情景を描いたもので、豪奢な洋服や人々の独特な目つきはメト所蔵の『女占い師』とよく似ています。この絵には夜の情景ほどの神秘性や精神性はありませんが、絵画の醍醐味、見た目の鮮やかさがあって、一見してすごいと思わせるところがあります。この絵にはカードの柄が違う映画もう一枚ありますが、そちらはこの展覧会にはきていません。
全体としてはやはり真作が少ないので、実際の絵を見ると言うよりは研究・教育的な展覧会になっていますが、ヴァーチャルミュージアムなど絵の少なさをいろいろな方法で補っており、気合いが感じられる展覧会でした。
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