宮殿とモスクの至宝 V&A 美術館所蔵 イスラム美術展
来館日時:10/9
場所:世田谷美術館
V&Aって言って稲垣足穂を思い出してはいけません。(実は私もちゃんと読んでないんですが。)イギリスのヴィクトリア&アルバート美術館です。
で、イギリス帝国主義はイスラムの美術品を集めていたわけです。今もバンバン集めてます。
で、イスラムってすごい!しょっぱなから何メートルもある木彫りの説教壇があるんですが、ほんとうによくここまで持ってこれたなぁという感じで…相当でかいのに彫りがしっかりしてて頑丈な感じで、とっても迫力があるんですよ。びっくりします。
彩色写本なんかもけっこうあるのですが、どれもすごく大きい本ばかりなのに大変装飾が細密。イスラム教なもんで具象的な絵はあんまりないのですが、装飾文様や文字のデザイン化によって十分美しい本を作り出しています。初期キリスト教(アラブ地域にも古くからキリスト教徒がいますから)の聖書とか、シリア等のキリスト教徒の資料もちゃんと良好な状態で保存してあるあたりがにくいです。イスラム教の展示と言いながら古いキリスト教の道具なんかも展示してあり、解説によるとイスラムの人々は少数派のキリスト教徒にかなりの自由を認めていたとか。昔のイスラム教徒っていうのはひょっとすると今のキリスト教徒よりもずっと寛大で芸術の自由っていうものに理解があったのかもしれないですね…なんてったって今のアメリカ人がああだから反発したイスラム教徒が過激派に…(以下略)
工芸品もそれもすごいです。前にヨーロッパ中世の聖杯の展示会を見ましたが、金工技術から言うとイスラムのほうが進んでたみたいな感じですね。ガラス細工や壁用タイルなんかも、かなり大がかりな展示で迫力満点です。
近代になるとヨーロッパの絵画技術を取り入れた肖像画なんかも登場します。イスラム教徒っていうのはもともとは全然原理主義なんかじゃなくて新しいアートをどんどん取り入れたがる人たちだったんですね。まあでもやっぱりヨーロッパ絵画を急に取り入れるのは(日本と同じで)あんまりうまくいかなかったみたいで、ハーレムの女性たちを描いた絵なんかはオリエンタリズムの逆輸入みたいであまり独自性が感じられませんでした。
というわけで、感想としてはイスラム美術すげぇということなんですが、やっぱり美術って言うのはうまく混ざり合っていくのが一番大切なんだと感じました。ヨーロッパに刺激を与えたり与えられたりしているからアートがどんどん面白くなっていくわけで、今みたいにキリスト教もイスラム教も原理主義がどんどん進行しちゃうとアートの発展は望めないだろうと…全く暗い気分になりますねぇ。
あと、やっぱりヨーロッパの美術館の資料収集精神っていうのはすごいなぁと。一部はきっと帝国主義の時代に買いたたいたものなんでしょうが、最近購入したらしいものもあり、金を惜しまずにイスラム美術を集めている感じがします。日本ではあんまりイスラム美術は人気ないし、良いコレクションを持っている美術館もないと思うので、どんなものでもちゃんとしたコレクションを作ろうというイギリスの美術館の方針は全くうらやましいです。日本人は西洋画と日本画ばっかりじゃなくて、イスラムやアフリカ、中南米の美術ももっと見るべきだと思うんですがねぇ。
帰りにミュージアムショップで干しイチジクが売っていて、買うかどうか迷ったのですが、おいしくないとショックだなぁと思って買いませんでした。
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