マーカス・フィスター絵本原画展
来館日時:9/10
場所:東京大丸ミュージアム
これも招待券もらって行きました。正直あんまり興味なかったのですが…というのもマーカス・フィスターっていう人はベストセラー絵本『にじいろのさかな』の作者なんですが、これって虹色のうろこを持ってる魚が群れの中で孤立して、結局うろこをみんなに一枚ずつあげることで集団に復帰するって話でしょ?つまり自分を殺して集団に適応することを奨励する内容なわけで、それって私みたいな人には全く受け入れられない内容なんですけどね。障害があるとかもともとヘンだとかで集団になじめない人はいっぱいいるわけであって、買収作戦や過剰な適応行動なしに誰でもありのままで受け入れてくれるようなコミュニティを作ることこそが大事なことだと思うんですけどね。そう考えるとこれってめちゃめちゃ大人の教訓を振りかざした説教話であるわけであって、私が親なら絶対子どもには読ませたくない…
とか思っていたのですが、どうも会場で上映していた作者のインタビュービデオやパネルによると、作者のフィスターはなんかアメリカ帝国主義のことを言っているようないないような…子どもがお客さんなわけだから露骨な表現はしてませんが、「戦争をするくらいなら金持ちの国が分け与えたほうがいい」とか「僕の絵本は思いやりに関する話だ」とかそんなようなことを言っていて、これってきっとアメリカのことを言っているのではないかと思われるところがたくさん。まあにじいろのさかなを「共同体に無理矢理適応させられるアウトサイダー」と考えずに「生得の財産を独占して他人に分け与えない特権階級」と考えればそういう解釈になるんですよね。うーん、難しい。絵本だからと言って侮れない。シェイクスピア並みの多産的なテキストですな。しかもそういう泣かせることを言ってくれるフィスターさんがあんまりアーティストタイプじゃなくて、いかにもかっちりしたドイツ人で勤勉な先生タイプっていうところがまた悩むところです。もっとアーティストっぽい人がそういうことを言ったらきっともっと説得力があるような気がするのですが、一見先生タイプなんですよ、アーティストというよりは。本当はもっとアートっぽい人で、見かけで損しているのかな。
とはいえ絵はどれも非常に凝ったもので見ていて面白いです。ぼかしの技法を駆使した水彩絵本の原画は一見の価値ありかも。にじいろのさかなのうろこの部分に使われている箔紙なんかの解説もあって、これは人体に害がなくしかも華やかな素材と言うことで選ばれたものの、印刷に大変な手間がかかったとか。しかしながら私、恥ずかしながら絵本ってどういうふうに印刷しているのかイマイチ理解していないのですが、どうやって印刷してるんですかね…?誰か教えて下さい。
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