プーシキン美術館展
来館日時:10/30
場所:東京都美術館
プーシキン美術館が誇る、シチューキン・モロゾフ・コレクションが来日しました。ちなみにシチューキンとモロゾフは別の人です。菓子屋とも無関係…だと思います。たぶん。
先着1000名にピカソはがきがプレゼントされるということで早起きして行きました。『アルルカンと女友達』のはがきをゲット。アルルカンは道化です!ピカソは自分を道化になぞらえていていろいろ道化の絵を描いています。道化研究家としてははがきをゲットできてうれしいところ。
チケットの写真はマティスの『金魚』↓
あまり気にせずに美術館に行ったのですが、実物は結構でかくてすごい。とにかく色が鮮やかで、花も咲いているし、金魚も派手でなかなかかわいらしいんです。マティスは人をくつろがせ楽しくさせる「肘掛け椅子のような」絵を求めていたらしいですが、たしかにこの『金魚』とかは一見色が派手派手で補色もバンバン使っていて目が疲れそうなんですけど、意外に見ていて嫌にならないというか、なんか楽しいんですよ。マティスの絵って昔はあまり興味なかったんですが、やっぱりでかい絵をよく見ているとさすがに巨匠だなぁって気はしますね。それにたぶんマティスって言うのはたぶん愉しい人だったんでしょう、野獣派とか言ってもそんなに暴力的な感じとか暗い感じがないんですよ。前に読んだ美術批評で、古典的な絵画っていうのはものすごい責任感に貫かれていて、大作絵画には人間の真実とか重々しい歴史が必要とされており、ピカソの『ゲルニカ』なんかはそういう系譜につながるものだけれども、マティスの『ダンス』に代表される一部の現代絵画はそういう歴史の重みから解放されていて、感覚の喜びをあっけらかんと追求するものなんだとかいうことを言っていたんですが、まあこの指摘にはちょっと問題がありそうな気はするのですが基本的には正しい気がします。この金魚はわりとお気楽極楽ですからねぇ。
それからすばらしいモネも一枚来ています。こちら『白い睡蓮』↓
本物はもっと色が繊細で鮮やかです。モネは自分の庭の橋(日本びいきなので、睡蓮の池に日本庭園風の橋をかけていたんですよ)の絵を相変わらずいっぱい描いていて、一枚メトに行ったときに見たのですが、今回は大きいカンバスに描いたやつが来日しています。光の加減や緑の色彩など非常に巧く、メトで見たやつよりもいいかもしれない。
ゴッホの『刑務所の中庭』↓
解説にはそんなこと一言も書いてなかったのですが、どうもベートーヴェンのオペラ『フィデリオ』の影響があるような気がするんですけど…私の妄想ですかね。
こちらセザンヌがやっぱり何枚も描いている『サント・ヴィクトワール山』↓
最近セザンヌってあんまり好きじゃないことに気づきました。だって描いてるりんごはおいしくなさそうだし、山は普通の山だし…
この他にアンリ・ルソー、ヴュイヤール、ボナール、シニャック、ピサロ、ルノワール、ゴーギャンなど19世紀末〜20世紀初頭までの主な画家はたいてい網羅されてます。すごいのはシチューキンやモロゾフが絵を買い集めていた頃はまだこういう今ではおなじみの大物たちも怪しい前衛美術扱いで全然認められていなかったということ。大変先見の明があったということですねー。流れとしては印象派→後期印象派→キュビスムとフォービスムという移り変わりになるのですが、このへんはどれも出てきたときはアヴァンギャルドアートで海のものとも山のものともつかないと思われていました。そういうものを率先して買っていたということはやっぱり見る目があったのでしょう。しかし現代アートを集めるっていうのはやはり大変リスクがあることらしく、今では押しも押されもせぬ大美術館であるニューヨークのMOMAやグッゲンハイム一族のコレクションなんかもはじめは批判を受けていたそうです。でもやっぱり若手を継続的に援助するっていうことはアートの世界では大事なことなんですね…皆さん現代アートがヘンだからと言ってバカにせずにやさしい目で見てあげることにしましょう。中に将来のピカソやゴッホがいるかもしれんし…
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