ウィリアム・モリス展
来館日時:10/28
場所:松下電工ミュージアム
めちゃめちゃ落ち込んでいたので、現実逃避的にラファエロ前派を見に行きました。
実はラファエロ前派ってあんまり好きじゃないです。あの過剰な女性の理想化が嫌だって言うか…たしかにものすごく美しくて見ているぶんには楽しいんですが、見てポーッとしてると私の中で「こんなもんは現実の女じゃない!」「罠だ!」「<男たち>にだまされるな!」っていう声がするんですよ。こういうものに溺れていると私は現実との接点をなくして自分を失うなぁと思うわけです。やっぱり生まれながらのフェミニストとしては男性から見た女性の理想美に耽溺していてはいけないわけでして、というわけでラファエロ前派の絵を見るときの私はいつも大変慎重かつ批判的になるのですが、モリスはどちらかというとデザイン分野の人でアール・ヌーヴォーの先駆みたいなとこがあるので、絵じゃないからそれほど身構える必要はありません。
しかしモリスのデザインっていうのは結局のところ優れているなぁと…。自然の形をめいっぱい取り入れた壁紙や椅子とか、効率重視でおもしろみのない四角張った現代デザインとは全然違うものですよね。モリスのデザインっていうのはなるべく手で仕上げたぬくもりのある家具を市民に提供することで芸術を生活に取り込もうっていうコンセプトで成り立っているわけで、ル・コルビュジェに代表されるあの醜悪で殺風景なデザインコンセプトとは全く違った装飾的なものです。自然のかたちを取り入れるという点では私の大好きなガウディやライトと似ているのかもしれませんが、やっぱりそこはラファエロ前派だけあってちょっと洗練されすぎているというか、ガウディなんかが有している強烈な有機体としてのエネルギーには欠けますね。そこがネックになっている気もするのですが、アール・ヌーヴォーの時代っていうのはそういう現実感のない洗練を特徴としているんだから、まあ仕方ないのかもしれません。
とはいえ展示内容としてはわりと充実しています。ショールーム慣れした松下電工だけあって、お得意のお部屋再現コーナーもあり、模型好きな私には嬉しかったです。モリス家のお部屋は非常に統一的で自然のあたたかみを感じさせるインテリアになっていて、全体としてみると以外に有機体っぽいような。ロセッティがデザインした椅子なんかもお部屋に置いてあるんですが、きっとモリスの奥さんのジェーンもこの椅子に座って…ちょっと妄想ですが。
ただ、展示の三分の一がステンドグラスの写真複製っていうのはどうかと。せっかくみんな本物を見に来ているんだから、複製のステンドグラスよりも椅子とかをいっぱい見せるべきなんじゃないでしょうか。まあ光を使ったステンドグラスの再現なんていうのはきっと電気のナショナルのお得意分野なんでしょうが、別にここで見せなくても…全体は良かったので、ここだけがちょっと残念です。
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