Autobiography by Ashlee Simpsom
アシュリー・シンプソンはポップシンガーのジェ
シカ・シンプソンの妹で、これがデビューアルバム。
姉ジェシカは伝統的なタイプのバラードシンガー
で明らかにすっごく歌がうまいのだが、ブロンドの
イメージに違わないバカとしても有名である。
アメリカではブロンドはバカ、ブルネットは賢いという
イメージが強い。とくにプラチナブロンドはすっごく
バカでちょっとイカれているという感じである。
もちろん偏見だが、最近ヒルトンホテルの相続人
であるパリス・ヒルトンという強烈にバカなブロンドが
出てきたのでみんな「やっぱブロンドはバカ」とか思
っているらしい。あまりジェシカには興味がなかった
のでチェックしていたわけではないが、たしかにMTV
ニュースなどでの言動を見るとあまり賢くなさそう…
ではある。
ということで妹アシュリーに移ることにすると、
まずアシュリーというのは男女共用の名前であるが
(『風と共に去りぬ』のスカーレットの彼氏の名前は
アシュリーである。)、最近は女が多いような気もする。
アシュリーは姉とは違ってかなりロックな人であり、
ブルネットで硬派なファッションだが、
やっぱりちょっとバカ…なのか、最近口パクがばれて
大分格を下げた。
とはいえ、姉の七光りだとか口パクだとかアヴリ
ル・ラヴィーンの泥鰌を狙って雨後の筍のように出
てきたガールロッカーの一人にすぎないとかいう噂
はあるが、実はかなり曲もいいし結構シリアスである。
一曲目の"Autobiography"からしてハードな感じでよい
し、わりと低めの音域とマイナーコードを使って大人
っぽさを演出しているところも評価できる。ヒットシ
ングル"Pieces of Me"はもうちょっとポップでかわい
らしい仕上がりになっているが、それでもはさすがに
聴かせる曲だ。3曲目の"Shadow"は曲調も歌詞もシリ
アスで、大人のロック歌手らしいヘビーな感情を表現したいという気概も十分。
とはいえやはりスカイ・スウィートナムと同じで、
ロック路線を強調するにせよ、クロスジャンルな感じ
にするにせよ、やはり他の女性ロック歌手との差別化
を図らないと今後は生き延びていけないだろう。とく
に最近の女の子のロック歌手達はちょっと昔に比べれ
ばアクがなくて(ジャニス・ジョプリンやコートニ
ー・ラヴを見よ!)つまらない…ような気もするので、
もうちょっと売れ筋を狙わないでコアな音楽をやっても
いいのではないかと思うことがよくある。そうしたほうが
後々のためにもいいだろうし、一発アルバム売っておし
まいというのを狙うよりはやっぱり長い間聴いてもら
える音楽を作らなければ音楽界の質が上がらないと思う。
それに最近の女性歌手のアルバムには「私には多様な
面があるからそれをいろいろな角度から表現しました」
みたいなものが多く、アシュリー・シンプソンのこの
アルバムもまさにそういう感じで、それはそれでま
あいいのだが、
私は反動的な人間であるのでアーティストというの
はもっと頭から爪先までヘンで偏った人でもいいと
思うのである。最近のアーティストはみんな自分の中の
多様性を表現している…というのは一見いいことのよ
うに思えるし、とくにラブソングばっかり歌わされて
いた女性歌手にとっては革新的なことでもあった(かつ
ては愛かなんかを歌っていて一面的なイメージしか
許してもらえなかったが、今では何を歌ってもいいし、
とくにマドンナの出現以降は一人でいくつものイメ
ージを負うことができるようになった)、それがあん
まり魅力にならず、かえって個性を妨げる結果に
なっていることがある。たとえばコートニー・ラヴ
は裁判にかけられまくっているし、ザ・フーは
車ごとホテルのプールにつっこんだりしていたし、
ピカソは全裸で絵を描いていたが、逆にそういう
明らかにヘンなところが魅力になって
人々をひきつけているというところがある。
でも最近の若いアーティストはあまりに多様で普通さ
をアピールしているところがあり、露骨にヘンな
人は少ない(アヴリルはまた別。かわいい顔して
周りの連中に悪口雑言を…)。アシュリー・シンプソン
はサウンド的には他の雨後の筍ガールズロッカーたちよ
りもシリアスで才気を感じさせるところがあると思う
ので、今後どんな個性を発揮してくるか期待大である。
私はあんまり口パクとか気にしていないので(←でも
やるならバレないようにやろう!)今後も応援した
い感じである。
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