Get Behind Me Satan  by The White Stripes




 ホワイトストライプスのニューアルバムです。タイトルはもちろん、「クロスロードでギターの腕前と引き替えに悪魔に魂を売り渡した」伝説的ブルース・ギタリスト、ロバート・ジョンソンをモチーフにしています。現代ロック界屈指のギタリストであるジャック・ホワイトとしては、かなり気合いの入ったタイトルですね。ジャケットも赤と黒を基調にしてジャックとメグが並んでいる写真でカッコいいです。

 全体的にかなりブルース色が強い仕上がりになっています。一曲目の'Blue Orchid'は非常にファンキーでインパクトのある仕上がりになっており、ジャック・ホワイトのヴォーカルも多少ファルセットがかった高音で面白いです。三曲目の'Mr. Doorbell'は曲調がとてもユーモラスでちょっとポップな曲です。九曲目の'Passive Manipulation'ではメグ・ホワイトがヴォーカルをとっているのですが、これがなんかヴェルヴェット・アンダーグラウンドのモーリーン・ケイル('After Hours'とか)みたいなんですね。か細くてヘタくそで、なんともいえない味があります。十三曲目の'I'm Lonely'はピアノ・ブルースなんですが、カントリーの'I'm So Lonsome I Could Cry'みたいで、かなりカントリーの影響もあるのかなぁと思います。

 このアルバムは「スタイリッシュ」とか「最先端」という言葉とはかけ離れていて、ピアノに最小限のギターとドラムを加えただけのシンプルな構成で古くさいアナログな音を鳴らすというものなのですが、「洗練された」音が氾濫している現代にあってはむしろ新鮮に聞こえます。とくに最先端のロックがどんどん電子音楽に吸収され、一方で「体制的な」ポップがどんどんロックに接近してきてアイドルまでロックぶっているという中では、ホワイトストライプスはあくまで「ロック」というジャンルの純粋性を守ろうとしている希有なバンドだと思います。純粋性を守るのがいいことか悪いことかは別として、この試みはやっぱり評価すべきだと思います。シンプルでもサウンドにすごく力がありますから、この試みは成功したと言っていいんじゃないでしょうか。

 で、一つ文句を言っておくと、日本版に歌詞カードがついてません。CDをパソコンに入れればネットのConnecteDから歌詞がダウンロードできるということなんですが、ちゃんとCDを入れてもなんか読まなかったり、歌詞が全部アップされてなかったりしてひどい…これなら輸入盤を買った方が良かったかも。





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