No Doubtのブロンドのヴォーカリストで女優デビューーも果たしたグウェン・ステファニーのソロアルバム。もともとNo Doubtで独特のサウンドを創りだしているだけあって、ロック、R&B、ヒップホップなど色々な要素を統合させた一筋縄ではいかないサウンドは健在。グウェンの歌唱力も周知の事実であるし、「安心して聴ける」ソロデビュー作である。しかしながら(個性派とは言え一応)オレンジ・カウンティのロックバンドであるNo Doubtよりもサウンド的にはもっとオモチャ箱のような面白さを重視していて、女の子の妄想全開である…というのも、タイトルからして"Love,Music,Angel,Baby"というファンシーなものであるし、ジャケットや中ジャケのデザインもCGやイラストを大胆に取り入れたカラフルなもの(そのイラストがまた微妙な日本趣味でどことなくヘタ…)。ヒットシングル"What You Waiting For?"のビデオは似非『不思議の国のアリス』みたいな感じでグウェンがとんでもなく変な格好(かわいいのだが)で出てくるもので、曲じたいは時計にあわせて「チクタクチクタク」言ったりとか(?)、曲調がコロコロ変わるびっくり箱のような曲であるし、7曲目の"Harajuku Girls"なんかもすごくうさんくさい日本語が出てきたりしてあやしいのだが不思議な魅力をたたえたガール・パワー賛歌である。でもいわゆるかわいいアイテムをいっぱいそろえているのになんだか少女っぽくないところがグウェンの複雑さで、全体的なサウンドはかなり複雑に作り込んであるし、実は結構大人のアルバムなのではないかという気がする。ここまでおおっぴらにヘンな日本語とかレトロなオリエンタルサウンドを取り入れてくるのは(もともとNo Doubtはワールド・ミュージックの好きなバンドなのだが)やっぱり確信犯であるとしか言いようがない。私としてはやっぱりもうちょっとロックなアルバムが好きなのだが、このアルバムは十分意欲的でヘンな感じで聴き応えのあるアルバムである。