Noise from the Basement   by Skye SWEETNAM




 スカイ・スウィートナムはアヴリル・ラヴィーン以降どんどん出てくるようになった、十代女性をターゲットにした若手女性ロックシンガーの一人で、 これがデビューアルバム。ファンシーでポップでピンクを多く使ったCDデザイン からもわかるように、女の子をターゲットにしていることは明らか。サウンドも全体的にかわいくパワフルである。ちょっとハスキーな感じのヴォーカルが特徴で、あまりシリアスな感じではないが、 これだけ若いロック歌手があんまりシリアスなことばかり歌っていても気持ち悪いし(中にはフィオナ・アップルみたいに20そこそこで恐ろしくシリアスな歌を作る人もいるが)、 若い女の子が自分でちゃんとしたロックをやって売れるようになるというのは音楽業界の女性の地位向上のためにも大変なことだし、そういう意味ではちゃんとお金を払って買わなくちゃ… と思って私は買うのである。(60〜70年代にかけてのロック界は超男性中心的で、なかなか女性のロック歌手はデビューできなかったり、デビューして有名になっても ディスられたりしていたのである。今ではみんなから尊敬されている亡きジャニス・ジョプリンやニコやマリアンヌ・フェイスフルなんかもすごく苦労したらしい。)
 一曲目の"Number One"はギターを慣らすロック・チューンでやっぱりアヴリル・ラヴィーンとかの影響が強いような気がする。二曲目の"Billy S."はヒットシングルだが、なんと このビリー・Sとは私の恋人ウィリアム・シェイクスピアのことである…というタイトルからもわかるように「学校なんか行きたくない」というありきたりな歌詞のロックソングなのだが、 入りの部分がちょっとひねった感じで面白いし、サビはかわいらしい感じである。一曲目ほどはロックっぽさがないが、十分ノリが良くて楽しい曲に仕上がっている。欲を 言えばもうちょっとヴォーカルにパンチが欲しいし、歌詞にも一工夫ほしい感じだが、ヒットしたのもうなずける。
 そしてこのアルバムで一番興味深いトラックは"Heart of glass"。70年代から活躍している今でも現役のロックバンドで、パワフルな金髪の女性ヴォーカリスト、デボラ・ハリーを擁するブロンディの 代表曲のカバーである。この曲はそれまでニューヨーク・パンクのバンドだったブロンディがディスコを取り入れて一気にスターダムにのし上がった曲だが、このアルバムでは それをうまくロックアレンジにして非常に面白く聴かせてくれる。こういうトラックをもっと増やせば他の若手女性ロックシンガーとの差別化をはかることができそうだし、 今後に期待大である。
 最後にもう一つ。このCDはコピーコントロールCDである。ふざけんなよスカイ・スウィートナム…コピーコントロールCDはCDではない!





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