のぞき部屋テーマパーク 原宿物語 by マダムゴールドデュオ
鑑賞日時:2/25
場所:天王寺スフィアメックス
久しぶりに見た演劇です。
実のところあまり演劇はたくさん見ていないのであまりえらそうなことは言えないのですが、今回見た芝居は覗き演劇。額縁舞台に類するものはなく、「ラブストーリー」「工口」「社会派」「スポーツ」「パロディ」という5つのブースがあり、それぞれ三つの演目(五分くらい)を上演していて、お金を払って演目カードを選び、ブースを覗くと希望の演目を上演してもらえるという仕組み。覗き穴は一つしかないので一度に一人しか見られず、当然回転が悪くて列ができる…ということに。エジソン時代の映画みたいな感じですね。
5×3ということで全部で15の演目があるわけですが、上演時間は3時間でブースごとに休憩もあるので全部は見られず。とりあえず払った分は(入場料400円、一本300円、全部見られるパスポートが1800円)見ました。
まず「ラブストーリー」ブースですが、見たのは『祝辞』と『サトウ君の傘』。どっちもそんなにどうということはなかった気が…『祝辞』は不治の病にかかった男が友人の結婚式に祝辞のビデオレターを送るという内容で、ちょっと笑ったような覚えはあるのですがあまり印象がありません。『サトウ君の傘』は、髪の濡れたホラーっぽい女の子が傘を振り回しながら叫んでるだけで「なんぢゃこりゃ」という印象。最後に見た作品だったのでかなり微妙でした。
「エロ」ブースで見たのは『ひめごと』と『メイド・淫・USA』ですが、『ひめごと』は原宿のコンドマニアのCMという設定で、外国人男性と人妻の不倫という内容。外国人男性がかぶっているストッキングがもろコンドームの形だったりたいそうバカな感じなのですが、CMらしく覗き穴にキャッチフレーズを書いたプレートを出したりとか(書いてある内容は「2人の間には−」「膜がある」とか、本当のテレビCMではあんまりあり得なさそうなもの)、覗き穴を使った工夫のあとは見られました。最後は「原宿コンドマニアは危険な愛からあなたを守ります」…バカなりにまあ面白くはありますね。『メイド・淫・USA』はブロンドのアメリカ女を三人囲っている日本の偽金作りの話で、女優さんたちがど派手な金髪のカツラにつけぼくろをつけ、エセ訛りを駆使してアメリカ人に扮するあたりが面白いですが、話自体はちょっと不消化。ちなみにやけに思わせぶりに女優がチュッパチャプスをえんえんとなめてたり、きゅうりやバナナやゴーヤが登場するあたりはまるでバイアグラの"Stop! Stop! Stop!"のプロモーションビデオみたい。(ちなみにバイアグラは薬ではなく、ウクライナのトップアイドルグループ。ロシア語ではちゃんと別の意味があるそうだ。)
「社会派」は『NO WAR』しか見られなかったのですが、これが一番面白かった。内容はどうということもないイラク戦争報道をネタにした話で、戦闘に巻き込まれたレポーターが逃げた場所の下には実は地雷があり、動けば爆発するのでその場から出られなくなり…というありがちな話(たぶん元ネタはボスニアものの映画『ノー・マンズ・ランド』)なのですが、役者がいったん退場した時に覗き穴から横目でブースの端のほうを覗いてみたところ、舞台袖(ブースの死角というべきか)で一生懸命早着替えして脱いだ服を黒子に投げ渡す役者の姿が…その必死な姿がおかしくて、本題とは違うところで楽しめてしまいました。やっぱり役者は見られていると気づいていないときこそ名演ができます(←ディドロだっけ?)。こういうところが覗きの醍醐味。(?)
「スポーツ」ブースは一つも見られなかったのですが、「パロディ」ブースは全部見ました。演目は『踊る大捜査線』『シックス・センス』『天王洲の中心で愛を叫ぶ』。『踊る大捜査線』は、元ネタがわからなかったのでちょっと不明でした。『シックス・センス』は、最後に霊らしき三人の役者が覗き穴をふさいでこっちを見る演出があり、なかなか覗き穴を効果的に使っているなぁと感心。ただちょっと笑えましたけど…『天王洲の中心で愛を叫ぶ』は、元ネタはなんだかやっぱりわからなかったんですが、そこはかとなくおもしろかったです。でも、『世界の中心で愛を叫ぶ』って霊の話なんですか?
全体的に言うと、ちょっと覗き穴の使い方が工夫されていないかと。もう少し「覗き」であるというところを活用した方がよかったのではないかと思います。
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