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「あれ?ここはどこだ?」 目を覚ました「やまと」は周りを見回す。 「ここは・・・海?」 「やまと」の目の前には大海原が広がっていた。 というか海しか見えない。 「なんでこんなところに?僕は確か・・・」 「やまと」は昨夜のことを思いだしていた。 え〜と、昨日は確か大学から駅へ向うバスで寝過ごして終点まで行ったんだよな。 そこから引き返そうとしたらお金が無くて野宿する事になったんだ。 んで起きたらここと・・・ 「やまと」は状況を把握し終わったようだ。 しかしやまとよ・・・こんな季節に野宿は死ぬぞ。 なんでこんなところにいるんだろう・・・ ・・・ま、いっか☆ 最近海なんて来てなかったからね。 丁度いいや♪ どこまでも能天気な「やまと」だった。 しかし、「やまと」はそこで重大なことに気が付いた。 あれ? もしかして・・・僕走ってる? しかも早いぞ〜!! 実はこの時「やまと」は25.5キロのスピードで移動していたのだ。 自分がそんな高速で走っていると知った「やまと」は、パニックに陥った。 もっとも、普通なら目覚めて海にいればパニックへ陥るだろうから遅すぎるとも言える。 わ〜〜!! なんで俺走っているんだ〜!! 完全にパニクっている「やまと」は右へ左へと蛇行を繰り返す。 「な、なんだ!」 「高柳艦長!一体どうしたんだ!」 「わ、わかりません!操舵不能です!」 パニックに陥っている「やまと」は気付いていないが、何人もの男が慌てた声を響かせていた。 「速度上がっています!現在19ノット!!」 「なんだと!」 「くっ!一体どうしたというんだ!」 その頃、騒ぎに気が付いた「やまと」がパニックから解放されていた。 あれ? なんか騒がしいな? しかもなんか僕の中からだぞ・・・ 「やまと」は不思議に思いながらも自分の中に意識を集中させる。 でも自分の中に意識を集中ってどうやるんだろう? ま、適当でいっか☆ ・・・どこまでも能天気だった。 「やまと」が適当に自分の中に意識を集中させると軍服を着た人が何人も動き回っていた。 あれ? なんで僕の中に人がいるんだ? 「蛇行、止まりました」 「操舵も効きます」 「速度低下、14ノットに戻ります」 「そうか、しかし一体今のはなんだったんだ・・・」 何人もの軍人が報告を行っていく。 「わかりません。異常があったと考えるしかありませんが・・・」 「まあいい。今は大事な作戦の最中だ。調査はこの作戦終了後に行おう」 何の話かよく分からないな〜。 頭が混乱しかかった「やまと」は取りあえず落ち着いて外を見回すことを選んだ。 あれ? 首が回らない・・・ でも後ろまで見通せるぞ? 性格だけはなく身体までおかしくなったかな? どうやら性格がおかしいことは自覚があるらしい。 しばらく周囲を見ましていた「やまと」はある物に気がついた。 あれ? あれは戦艦じゃないか? 「やまと」の目には巨大な艦、しかも甲板には巨大な砲塔を聳えさせている艦だった。 どう見ても戦艦だ。 今の海自にあんな艦はないよな。 あんなのがあったら自称平和主義団体が黙っていないもんな。 「やまと」は意外に皮肉屋だった。 艦首に菊の御紋章ってことは・・・ 帝国海軍の戦艦!? しかも連装砲塔ってことは・・・ ・・・長門級か伊勢級か扶桑級か金剛級だな。 いや、それ以前の戦艦の可能性もあるな。 僕って知識がないからな〜。 それ以上わかんないや☆ 見ただけでは艦型を見分けられない「やまと」にはそれ以上わからなかった。 情けない奴だ。 あれ? 良く見ると6隻もいるぞ? 戦艦が6隻も出陣した戦いと言ったら・・・ ミッドウェイ!!! それぐらいは知っていたようだ。 ということはこれは夢か☆ きっと常々海軍の戦いを見たいな〜と思っていたからこんなとこにいるんだね。 「やまと」は一人納得していた。 あ〜、あんなとこに空母が! てことは鳳翔だな! ああ〜!!あれは重巡だな! じゃああっちは軽巡か!! すげ〜〜!!! すげ〜〜〜!!! 「やまと」は都会に出てきた田舎者よろしくはしゃいでいる。 でも僕が知らない艦まではっきりとわかるな〜。 夢って凄いんだな〜♪ んなこたぁ〜ない。 ってあれ〜!! ミッドウェイの時の本隊と言ったら大和でしょ〜!! 大和はどこだ〜!! 大和を見せろ〜!! 大和を見ようと「やまと」は再び滅茶苦茶に動き出した。 「ま、またか〜!!」 「高柳艦長!なんとかしたまえ!!」 「なんともなりません!!完全に操舵不能です!!」 「そ、速度再び上昇!19、20、21・・・」 またしても絶叫が響く。 そんな中でも冷静に速度を読み上げる仕官はたいしたものだ。 大和を見せろ〜〜!!!! 夢だと判断した途端暴れまくる「やまと」! 彼は果たして大和を見れるのか!! <続く> と、思ったけど続きます(笑) 大和はどこだ〜〜!!! 「やまと」はいまだに暴走を続けていた。 右に左にと蛇行を続けている。 さきほどまで叫んでいた士官達も、もはや倒れないように身体を支えるので必至だ。 大和〜〜!!!! ・・・あれ? 僕はなんで海の上を走っているんだ? 「やまと」はようやくその疑問に辿り着いた。 というか僕の足はどこ? というか僕の手はどこ? というか僕の・・・ というか僕の・・・ 「やまと」が考えに沈んでいるころ、仕官達はようやく一息ついていた。 「そ、操舵可能になりました」 「そ、速度14ノットに戻りました」 気丈にも報告を行う仕官もいたが、中には船酔いを起こしている仕官もいた。 海軍軍人として恥になるが、あの状況では仕方ないかもしれない。 「一体この艦はどうなってしまったんだ・・・」 「長官、このままミッドウェイまで行っていいものでしょうか?」 「・・・そうだな。大和がいなくても勝利は間違いないのだ。大和は本土へ帰して調査しよう。」 大和? 僕のことか? どう考えても違うよな。 ということは戦艦大和だよな? 大和はここにいるのか? ちょ、ちょっと待て!今整理してみるからな! 混乱の極みに達した「やまと」は独り言のように呟くと頭の中身を整理し始めた。 1.今僕は海の上にいる。 2.僕は人間では考えられないほど早く走った 3.大和はこの海域にいるが見えない 4.良く見ると僕の身体には足や手がなく、スクリューや砲塔がある。 5.砲塔は三連装だ 結論 僕は大和になっている なに〜〜〜〜!!!!!!! そんな馬鹿な〜〜〜!!!!! ようやくその結論に達した「やまと」改め「大和」であった。 いくら夢だからって大和そのものになるなんて・・・ しかもさっきのことから考えると自分で行動出来るみたいだな。 ああ・・・夢のようだ! って夢か☆ でもこれって船魂ってことだよな? 船魂って男でもいいのか? う〜む・・・越後に悪いな・・・ あ、でも他の艦の船魂は全部女性かも☆ だとしたら嬉しいな♪ 実にお気楽である。 ってそんなこと言っている場合じゃない! 今はミッドウェイなんだよな。 このままじゃあ南雲艦隊が〜!! そう言えば本隊と機動部隊は離れていたことが敗因の一つのはず。 まだ間に合うはずだ!急いで機動部隊に追いつこう! 夢でくらい日本を助けたっていいよな! 「大和」は単純な考えでそう決断すると早速ミッドウェイ方面に向けて速度を上げた。 「再び速度上がります!」 「操舵不能!」 三度の事態に乗組員もすっかり慣れたようだ。 取立て慌てることなく、作業を行っている。 人間の適応能力は素晴らしい。 おっと、ミッドウェイの場所がわからないな〜。 操舵だけ任せればいっか☆ そう思った「大和」は舵の制御を解く。 「そ、操舵回復!」 今度はすぐに回復したのに驚いた仕官の声が響く。 「速度は落ちません!ますます加速しています!23、24、25・・・」 「よし、舵が効くなら進路を本土へ向けろ!」 「了解!」 「他の艦艇に発光信号!『本艦ヲ気ニスルコトナク針路速度ヲ維持セヨ』だ!」 「了解!」 盛んに出される指示に答えるべく、多数の人間が動き回る。 おっと!本土へ戻ろうとしても駄目だよ! 「か、舵効きません!回頭しようとすると操舵不能に陥ります!」 「なんだと!?」 「・・・長官どうしますか?」 「もはやこの艦に何が起こっているのかわからん。艦の好きにさせてやれ」 「艦の好きと言いますと?」 「今の段階で速度を上げた。そして針路。おそらく大和はミッドウェイに行きたいのだろう」 さっすが!伊達に偉そうにしてないね! 「・・・わかりました。」 「聞いてたな高柳艦長。針路ミッドウェイへ!」 「了解!針路ミッドウェイへ!」 よっしゃ〜!!行くぜ〜〜!!! 針路が無事に定められたことを知った「大和」はさらに速度を上げる。 走れ大和! ミッドウェイの悲劇から連合艦隊を守れるのはきみだけだ! <今度こそ続く> |
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