ver.3 fancy_books

−間主の読書感想文集−
 大学3年まで、読書には一切興味ナシ。
 夏休みの宿題の定番「読書感想文」も、生涯で一度も自分で書いた経験0。
 ところが今では、バイトで本の校正をしている始末。
 読書癖をつけてくれた師匠に感謝しつつ、どうせならと、 20も半ば近くになり、未提出の読書感想文の罪滅ぼしをすることに。


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シンプル・リーダー論
2005.6.12
『シンプル・リーダー論』
星野仙一

(2005年、文藝春秋)


 阪神タイガースが18年ぶり? にリーグ優勝を果たした2003年というのは、間主が「フリーター」という時間を過ごしていた 自分史上最も暇な年でありまして。お陰で、CSで阪神の試合は全140試合中100試合くらいは悠に見ていたわけですね。
 自分は決して阪神の「ファン」というわけではないのですが、それでも非常に面白かったです、毎試合毎試合。 で、今の職場の間主のリーダーは熱烈な阪神ファンでありまして、熱烈に「貸してくれる」ということで、 元々「星野仙一」という人物に大きな興味を感じていたこともあり、読んでみたという訳なのでした。
 で、結局この星野仙一という人物は、やはり期待通り、非常に実直なる人間であるなあ、と。それが率直な感想ですね。
 阪神のオーナーに「阪神という球団が弱いのは、それは全てオーナー、あなたの責任ですよ」と臆せず言えてしまうところや、 球団広報の不手際やファンのマナーの悪さまで公然と批判できるところ。 自分の著書の文庫版のあとがきを「私は今、怒っている」と書き始め、昨年世間を賑わせた「球界改革」についての不満を 書き連ねて結んでしまうなど、とにかく彼が「型破り」とも言われるゆえんというのは、その「言わずにはおれない」性分から 来ているのではないかと、そんな気がしてしまいます。
 一方でこの人は、僭越ながら語らせていただけるならば、「責任」という言葉の意味を本当に理解し、実践できている人物であると、そう思います。  自分自身のことはもちろん、球団のオーナー、フロント、広報、実際にプレーする選手、そしてマスコミに至るまで。 それらをきちんと整理し、「阪神球団」というチームがしっかりと役割分担のなされた「協調する」人々の集団として結集したことが、優勝、そして現在「強豪チーム」へと姿を変えることになった一番の要因ではないか、とそんな風に感じることが出来ました。
 体調面の問題などもあり、もうきっと監督をすることはないのでしょうが、是非近いうちにプロ野球機構のコミッショナーに 就任して、是非とも渡辺恒雄巨人軍会長様を殺して欲しいものです。



グラスホッパー
2005.3.31
『グラスホッパー』 井坂幸太郎
(2004年、角川書店)


 弟がこの著者のファンだそうで、試しに1冊借りて読んでみました。
 う〜ん。。微妙ですね。全く何の面白みがないということは決してなく、しかしまた非常に秀逸な作品だ、と思うこともなく、、、。 作品の構成というか趣向は結構面白く、読んでいる感覚というのはどちらかというとマルチアングルのゲーム (主人公が複数いて、それぞれの人物の視点から同時間の出来事が描かれる、という)に近いですね。 まあ、そういう作品に今まであまり触れてこなかったもので。。
 しかし、何というのでしょうか。結局全体に貫かれている「思想」じみたものというのは、「人は誰でも死にたがっている」、 「自分のしていることに意味を求め、そして実際にそれはあまり意味がないのではと考えている」という風であるように思え、 結局最後に「誰かによって生かされる」という、まあ何と言いますか、あまり個人的に好きではない趣のものだっただけかもしれません。
 とはいえ、著者の文体というか、先述した構成に関してもそうなのですが、そういったものは非常に個性的なにおいを感じたことも事実で、 自宅に他の本があれば興味本位で全然読んでしまえるような、そんな作家ではあるように思います。
 何とも微妙な感想なんですが、、、。何せ仕事絡みの技術書以外の「小説」たるものを読むのは実は結構久々だったりもし、 このくらいで許して頂きたい次第なのであります。



ダヴィンチ・コード(上)
2004.11.9
『ダ・ヴィンチ・コード(上)』
ダン・ブラウン(著)
越前 敏弥(翻訳)

(2004年、角川書店)


ダヴィンチ・コード(下)
『ダ・ヴィンチ・コード(下)』
ダン・ブラウン(著)
越前 敏弥(翻訳)

(2004年、角川書店)


 キリスト教の「聖杯伝説」――。
 初めて間主がそれになんとなく触れたのは、TVゲームのサイドストーリーとしてだったでしょうか。
 一応キリスト教徒だし家には新約聖書もある(もちろん全て読んだ事はない)ので、 それなりに興味・関心が高い分野でもありますし。歴史も好きで世界史上の知識はかなり持ち合わせていますし、 おまけに冒頭の舞台となるルーブル美術館やパリの街並み、ロンドンなどは何とも懐かしい感じで、 思わずルーブルに行った時に貰った館内地図などを引っ張り出してきてしまったりもし、、、。 まあミュージアムに興味が薄い人間なので、全て観る前に飽きて退館してしまったんですが。
 でも、何より間主を惹きつけたのは、やはり本書に登場する数々の暗号ですね。 推理小説大好きっ子としては、非常に読み進めるのが楽しかったです。 つまりは、間主の興味関心のファクターを広範に網羅した作品だった、とそんなところでしょうか。
 あえて難癖をつけるとすれば、主な登場人物にはフランス人、アメリカ人、イギリス人といる訳ですが、 それらのキャラクターがあまりにもステレオタイプに色濃く染め上げられてしまっている点 (上品で陰謀家のフランス人、権威主義的なイギリス人、そして作者がアメリカ人だと言うこともありますが、 正義感が強く人道主義的なアメリカ人というキャラクター設定が個人的にはものすごく嫌いです)、 そしてもうひとつはクライマックスが平凡すぎる、という点でしょうか。 あれだけ壮大な謎解きの落とし所を結局きちんと見つけられなかった感があります。 下巻を少し読んだころにはもう犯人の目星がついていたということもありますし。 結局男女の主人公が最後に恋に落ちるのも何ともハリウッド的ですしね。
 とはいえ、非常に読み応えのある作品であることは確かなので、 間主と同じような分野に興味・関心をお持ちの方には難癖を差し引いてもお勧めできます。
 久々に面白いミステリーを読んだ、と思いました。


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