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−サッカーの戯言帖−
 thoughtsを書いていると、話題がサッカーの日はどうしても長々と書いてしまう、 というので、こっちに移しました。これで好きなだけ言いたい放題に書ける。
 基本的に飲み屋でサッカー見ながらあーだこーだ言ってるのと同じ感覚ですので、 私見にいちいちケチをつけないよーに。あくまでも私見ですからね。



9.24 FC東京 vs ジュビロ磐田 (9.23.tue.2003)
 例えば、六大学野球の応援に行くと、ベンチ裏の客席には応援団とチアガールの方々がいらっしゃいます。そして、彼らの指示の元対峙する大学同士で「応援合戦」を繰り広げるわけで、これが非常に面白い。攻守交代の際には「おーい、明治ー(相手の大学名)、お前らー、○○だー」(例)などと、相手をディスったりするワケなんですが、試合の最初にはお互いの健闘を誓って拍手を送り合い、試合が終わった後では健闘をたたえ合って拍手とエールを交換します。ここには明確に、「観客同士の戦い」と、そのように両サイドが「戦う」ルールとしての「敬意」の交換が存在していると言えるでしょう。
 これは、典型的な「日本型」の応援スタイルと言えるかもしれません。思い出せば小学生・中学生の時には生徒が応援団というものを結成し、競技の一環として「応援合戦」を行い、エール交換などの「儀式」も存在していたように記憶しています。つまり自分たちはエールの交換や「団長」の元団結して応援する、と言うスタイルに子供の頃から慣らされているのであって、逆に留学生と一緒に六大学野球を観に行くと、彼(女)らがそのともすれば「強制的」な応援スタイルに戸惑ってしまうのは、そういう「原体験」がないからと考えることが出来るかもしれません。
 昨日、味スタに今シーズン何度目かのサッカー観戦に行ってきました。試合後のプレスカンファレンスにて磐田の柳下監督が「90分トータルで見ると、東京のゲームだった」と認めたように、試合を有利に進めていたのは8割方東京だったんですが、しかし勝ち点3を獲得したのは磐田でした。この内容と結果の見事な乖離は、サッカーでよく起こりうることで、結果的には勝者は苦しい中でもゲームをものにしていく「試合巧者」であり、敗者は流れが良いのに「勝ちきれない」「勝負弱い」チームという評価になるでしょうか。ただ、同情的な視点で見れば「王者」相手に「良くやった」「頑張った」「でも悔しい」というやりきれなさが残るような感覚になり、それは試合終了直後のゴール裏サポーターたちの反応に如実に現れました。憤って激しくブーイングを浴びせる人、やるせない表情でまばらに拍手を送る人、そしてすっかり力が抜けてしまったのか、どちらの反応も示さず静まりかえる大半の人達。自分自身は第2番目のカテゴリーのリアクションとなりましたが、まあこの状況全体がまさにこの試合をそのまま映していると思っていたので、特にそれ以上何かを感じるということはありませんでした。
 強く違和感を持ったのは、今日になってからのことです。
 せっかく昨日試合を見に行ったので、他のサポーターの人達がどのように昨日の試合を見たのかなあ、とたまに覗かせてもらっているHPを尋ねてみました。するとそこで議論されていたのは試合内容云々よりも、応援するサポーターの姿勢、特に試合後の反応について、「何故ブーイングをしないんだ!」という熱心なファンたちの憤りでした。
「ブーイング派」の主張は、「確かにジュビロは強豪だが、今日は2軍(グラウ・名波・服部無し)だったし、何よりもういい加減にこんな試合で満足しちゃいけない。今日はホームで、観衆も多くて、しかもチームは優勝を狙う意味でも大事な試合だったんだし、そんな時に俺たちサポーターが拍手して甘やかすようなことでは駄目だ」とこんな感じだったように思います。その文面から、優勝争いから後退してしまった悔しさと、チームに対する強い愛情が読みとれます。が、個人的にはこれは少々「屈折した」愛情であるように感じてしまうのです。
 別に、彼(女)個人がどのくらい、そしてどのような形でチームへの愛情を持っていても、それを否定し異論を唱えたりするつもりは毛頭ありません。ただし、それはあくまでもその人本人が持ち、また表現すればいいのであって、その「愛の形」が普遍的なものだと錯覚したり、また周囲の人に向かった押しつけようとすることには、注意が必要だと思うのです。
 私達は、一人一人が同じ料金を払って、スタジアムを訪れています。その中には今日が50回目という人もいるでしょうし、もちろん初めて、という人もいるでしょう。その誰にとってもサッカーとは娯楽であり、映画や舞台にスタンディングオベーションがあるように、コンサートにアンコールがあるように、それに支払った対価に見合った娯楽があったと思えばそのように、無かったと思えばまたそのように、それぞれの人が評価すべきものだと個人的には思うのです。もちろん、間主自身は六大学野球のような集団応援も非常に楽しめるものだと思いますし、むしろそれを楽しみに神宮球場に足を運んでいますが、サッカーがそれと同じようなスタイルになるべきだとは決して思いません。それは私見では、同じスポーツであっても「観戦」という行為の性質が、全く異なっているからだと思うのです。
 サッカー観戦の醍醐味は、応援「合戦」にあるわけではありません。そりゃあ、「サポーターも選手と一緒に戦っている」「サポーターの応援が、自分たちのクラブを勝たせる」という心意気は必須ですし、またそれは時に事実です。が、個人的には、サッカー観戦というのは端的に言って「鑑賞」なのです。選手の技術、試合内容、システムや連繋の美しさ、そしてサポーターの応援を含めたスタジアムというキャンパス全体の「雰囲気」という音楽についての。それにのるか、はたまた耳を澄ますか、その姿勢は観衆一人一人に委ねられ、それらも包み込んで一つのライヴになるのだと思います。そう考えると、イングランドのサッカーの試合はまさにクラシックのコンサートのようだし、セリエAや南米のクラブのゲームは時にパンクロックのライブハウスのようです。マンチェスターユナイテッドのホームスタジアムであるオールドトラフォードが「the theater of dreams」といわれているのは、そこに存在する人達全てが出演するまさに「劇場」であるからだと思います。
 ホーム&アウェーで行われるサッカーには、相手への敬意は元来要求されていません。その代わりに、ゲームという作品への敬意が要求されているのではないでしょうか。私達は根元的な部分で「相手に勝つ」為にそこにいるのではなく、「ゲームを愉しむ」為にそこにいるのだと、間主はそう思います。そういう意味では、自分が今回感じた違和感は、Jリーグのファンは残念なことに、欧州と日本における異なったスポーツ観戦のスタイルの、悪い部分だけを併せてしまったかのようになりつつある、そんなところに起因しているのかもしれません。
 放言ですが、俺はそう思います。




過去の遠吠え
8.31 Chealsea vs Blackburn (8.30.sat.2003)
8.5 FC東京vsレアル・マドリード (8.5.tue.2003)
7.19 FC東京vs清水 (7.20.sun.2003)
7.12 神戸vs名古屋 (7.16.wed.2003)
7.12 日本vsメキシコ (7.13.sun.2003)
7.6 新潟 → シンガポール? (7.10.thu.2003)
7.5 Jリーグ再開 (7.8.tue.2003)
6.27 サッカーは誰がために!? (6.27.fri.2003)
6.22 日本vsコロンビア (6.23.mon.2003)
6.20 日本vsフランス (6.21.sat.2003)
6.18 日本vsニュージーランド (6.19.thu.2003)
6.8 日本vsアルゼンチン (6.9.mon.2003)
5.31 日韓戦 (6.1.sun.2003)

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