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−サッカーの戯言帖−
 thoughtsを書いていると、話題がサッカーの日はどうしても長々と書いてしまう、 というので、こっちに移しました。これで好きなだけ言いたい放題に書ける。
 基本的に飲み屋でサッカー見ながらあーだこーだ言ってるのと同じ感覚ですので、 私見にいちいちケチをつけないよーに。あくまでも私見ですからね。



11.3 2003ナビスコカップ決勝 (11.3.mon.2003)
「世界一悲しいゴール」を、知っていますか?
 1999年11月27日。
 その年のJ1最終節。駒場スタジアム。カードは、浦和レッドダイヤモンズ vs サンフレッチェ広島。それはまだ、Jリーグに延長戦があった頃のお話。90分で勝てば勝ち点3、延長Vゴール勝ちは2点、引き分けは1点。そういう方式の中で起きた出来事。
 当時、この関東屈指の人気球団が直面していたのは、まさに「天国か地獄」の二者択一。J1残留か、それともJ2降格か。「天国」行きに必要な勝ち点は、3点。それに1点でも足りなければ、一縷の蜘蛛の糸は容赦なく絶たれてしまう。全ては、この試合が終われば、ハッキリする。そんな1戦。
 そして、後半終了のホイッスルが鳴る。同点。延長戦。試合は終わらない。でも、もう誰もが判っていた。全てが、終わってしまったということを。選手も、スタジアムを真っ赤に染めた全てのサポーターたちも。全てが終わったことを、誰もが判っていた。
 延長開始。赤い選手たちの脚は重い。当然だ。通常Vゴールとは、90分+α戦い続けた疲労感を、全て吹き飛ばしてくれる力を持つものだ。けれども、もうその力は消え失せていることを、誰もが知っている。もうそのゴールは、Victoryでも、Goldenでもない、意味のないものだということを、痛い程解ってしまっているのだから。
 でも、彼らはそれでもVゴールを決めて見せた。「ミスター・レッズ」と呼ばれた彼は、こんな虚しい時間を一刻も早く終わらせたかっただけなのかもしれない。ゴールを決めた彼にうしろから抱きついたチームメイトを、彼は荒々しくふりほどいた。彼は泣いていた。あのシーンだけは、この赤い軍団を語る時、個人的にどうしても思い出される、忘れることの出来ないシーンである。
 そして、彼らは1年でJ1に戻ってきた。
 ただ戻ってきただけではない。昇格3年目の今期だけでなく、2年目である昨シーズンにも、堂々と優勝争いに絡み、ナビスコカップも、決勝まで駒を進めている。
 思えば、彼らは全てを持っているチームであった。日本リーグ時代からの名門という実績、数々のスタープレーヤー、サッカー専用スタジアムにそれを埋め尽くす熱狂的なサポーター、そして、「お荷物球団」と呼ばれた屈辱の時代や、J2降格の憂き目に至るまで。思えば、Jリーグが誕生してから今日までの11年、明も暗も、最も多くのことをチームの歴史として経験したチームであるのかもしれない。そう、ただ一つ、「タイトル」という究極の栄光を除けば、全て。
 だが、ついに彼らは「全て」を備えたチームになった。Jリーグ開幕当初から参加しているチームのうちで、ただ一つだけ無冠のチーム。そんな肩書きも今日で「だった」と付けて捨てることになった。しかも振り返れば昨年の2ndステージの優勝争いの時も、そして今年同様ファイナリストであった去年のナビスコカップの時も、いつも彼らを阻んできたもう一つの赤いチームを粉々にうち砕いて。
 決戦前夜、彼らに足りないのは「経験」のみである、と誰かが言っていたのを聞いた。けれども、そんなのは彼らの、そしてサポーターの漲りすぎていた「気合」の前では、本当に微々たるものだったようだ。脚の故障を押して、流血してまで最後まで出場したエメルソンと、前半で早々と故障して交代してしまったエウレル。MVPを獲得する程素晴らしいプレーを遺憾なく披露した田中達也と、出足が遅いラフな守備ばかりで2枚目のイエロー→退場になってしまった昨年のMVP、小笠原。「決勝」の意味を知り、最後まで必死に戦った鹿島を支えるベテラン勢は本当に素晴らしかったし、そのお陰でスコア以上に緊迫した良いゲームになったことは間違いないのだが、けれどもそれに対峙したレッズのチーム全体としてのまとまりが、帰って鹿島の歯車の軋み、歪み、空回りを浮き出たせてしまった感が強い。田中は、きっと近いうちに代表に呼ばれるだろう。というか、まさに今が「旬」だ。これでまだ小笠原を使い続けるようなら、ジーコの目は節穴としか言えないと思う。
 とにかく、浦和レッズ、心からオメデトウ。試合が終わった直後の山田の表情は、「世界一悲しいゴール」と同じように、忘れることが出来ないように思う。喜びを爆発させるような笑顔でもなく、うれし涙に泣き崩れるのでもなく、本当に何とも言えない、「辿り着いた」って感じの、昔からチームを支えてきた者にしかきっとできないに違いない、あの表情。そして、文字通り国立を真っ赤に染め、また大歓声で激しく揺らし続けた、レッズサポーター、本当にオメデトウ。やっぱり、あんたらすげーよ。それしか言えない。自分もいつか、自分が愛するチームと共に、そんな思いをしたいって心から思った。
 Jリーグの10年が詰まりに詰まった、そんなノスタルジーに溢れた試合だったように間主には思われたのでした。信じ続けるパワー。思わず感動してしまった。




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