ネコ
学校の帰り道
もう時刻は夜7時を回ったぐらいか
あたりも暗くなってきて、
車のライトが暗い道を流れる
ちょっと遅くなっただけの、
いつもの帰り道
何の気なしに歩いていると、
横から白黒の物体が迫ってきている
な、何だ!?
ネコだ!!
俺は、野良の動物には嫌な思い出もあり、
ビビッタ
そいつは俺の靴に顔をつける
におっているのか?
何がしたいのかよく分からないが、
とにかく足に執着してくる
攻撃してくる気配もないし、
とりあえず気にせず行こうとすると、
そいつはピッタリ、足にくっついてくる
他のことには見向きもせず、くっついてくるネコ
何やらわけが分からなくなり、パニクる俺
とにかく飼い主を探そうかと思ったが、
ネコの行動範囲は半径何キロもあると聞いたことがある
しかしこいつの毛は、
野良ではありえないようなきれいな白黒、滑らかな毛並み
飼いネコか?野良ネコか?
そういえばこいつネコのくせに、暗闇でものが見えてないような・・・
動くものに変に反応するし、たまに俺を見失って、キョロキョロしたりする(そのあとすぐに飛んでくるんやけど)
目を怪我しているのか?
でもケンカしたような痕はない
何やらわけが分からん!!
とにかく俺は、ネコと途方に暮れた
・・・と、そこに近所の人らしき女性が歩いてきたので
声をかけた
しかしこんなネコ知らないということ
どうするものかと思っていたら、
今度はその女性の足についていってしまった
明らかに困惑する女性
あわてて引き離す俺
早歩きで逃げてゆく女性
また俺の足についてくるアホなネコ
あきれる俺
・・・しかし、このネコは動くものに反応するため、
車とかに引かれてしまっては、さすがにかわいそうだ
やはり一緒にいてやらねばならないか・・・
しかしもはや成す術もなくなって、
俺は友達に電話した
「ネコがついてきて、困っちょんよ」
「何かそれ、しんごの好きな『耳をすませば』みたいじゃん」
そうなのだ
俺はジブリ映画の最高傑作「耳をすませば」みたいな、
「ネコを追いかけていったら、そこに未来の恋人がいる」とか、
そんな話に憧れまくっているのだ
でもこいつはどうだ?
俺が追いかけていく前に、こいつからついてくる
こいつが本当に愛のキューピットなのか?
と不安と期待を抱きつつ、そこは飼い主を探すことになった
は〜
もうこいつと出会って、1時間近くたった
何してんだ、俺
でもこのアホネコ、結構かわいい顔してるのだ
俺がしゃがむとじゃれてきて、またかわいい
やっぱ何とかしなければと思い、また歩き出した
そこで運良くおばちゃんを発見したので、
おばちゃんに聞いてみた
するとおばちゃんは
「この辺りの飼いネコやろーねー
ネコは行動範囲が広いけー、心配せんでも大丈夫よ
あなたも気にせんで帰りー」
って言われた
{確かにそうなんやけど、
どうせまたついてこられて、かわいそうになるんですよ}
と思ったが、
あれ?
ついてこない
・・・何か、あっけない幕切れだった
何はともあれ、これでネコとも別れることが出来た
ただ心残りは、出会いがなかったということか
・・・と思っていたが、実は出会いはあったのだ
おばちゃんと・・・?
いや、違う
あのネコとだ
初めに出会ったときの衝撃
寄り添って歩いた道のり
そして最後に、別れてしまったときの寂しさ
あの後、何度後ろを振り返ったことか・・・
そう、
これはまさに、恋だった
俺は、人間の俺は、動物のネコに恋をしてしまっていた
決して実ることはない、禁断の恋
ああぁーーー!!!
何なんだこの気持ちは!!?
俺は一体どうすればいいんだ!!?
・・・しかし、俺は見ていた
ついていたのだ
あいつには、ついていたのだ
・・・そう、
アレが
ウフフ・・・(苦笑)
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