禁煙したい方に
(今回ちょっと長めです。スンマセン)
最近俺の周りに、
タバコを吸う人が、めっきり増えてきたように思います
彼らがタバコを吸うたび、俺は、
眉をしかめ、
煙たがって、
「また始まった〜」ってグチグチ言います
ときには説教じみたことも言います
合コンで初対面の女のコでも、そのコがタバコ吸い出したら、
注意したり、説教じみたこと言ったりします
こんなこと言うぐらいですから、
もちろん俺は吸ってません
今後、吸う気もありません
何でかって、金がかかるし、
体に悪いだけだからです
タバコに、大事な俺の人生の一部を
とられたくないからです
だから俺は、
自分の身近な人、大切な人には、
「そんなもんに人生費やすな」って、
何度も言ってきました
しかし!!
しかしです
こんな俺の熱意も裏腹に、
周りは(自粛することはあっても)やめることはなかなかありません
彼らは俺の気持ちも、
体に悪いってことも分かってます
しかし、やめません
何故でしょう?
そんなに美味しいんでしょうか?
そんなに早く死にたいんでしょうか?
・・・もしそうだとしても、
俺は、やっぱりやめてもらいたいんです
そこで、少し、ある話をしてみたいんです
俺がいつか本で読んだ、あるドキュメンタリー
みなさん、聞いたことがあるでしょうか・・・
・・・・・・
今から約20年前
都内某所
ヒロシとマサコ(人名はプライバシーのため、全て仮)の2人が、
幸せに暮らしていました
彼らはまだ二十歳そこらで、新婚
これから温かい家庭を築こうと、
若い希望に満ち溢れていました
マサコは専業主婦
ヒロシは、2軍でしたがプロ野球選手でした
彼はとても真面目で、努力家で、
朝昼はしっかり練習をし、
夜にはすぐにうちに帰り、
マサコと大事な時間を共にしました
しばらくすると、そんな真面目な性格が報われて、
ヒロシは1軍でプレーすることになりました
家庭、仕事共に順調で、
彼は人生の絶頂期を迎えようとしていました
しかし、そんなとき、悲劇は起こりました
『靭帯断裂』
ピッチャーだった彼には、最悪の事態でした
原因は、過度の練習による過労性障害
選手生命の終わりでした
幸せの絶頂から、一気に絶望のどん底に突き落とされたヒロシ
そんなとき、マサコは言いました
「野球だけが人生じゃないわ。
わたしたちの人生は、まだ始まったばかりじゃない。
元気出して。
わたしたちはまだ、子供も生んでないのよ。」
愛するマサコの言葉に、ヒロシは一つの希望を抱きました
「そうだな。腐ってても仕方ない。
よし、俺たちに男の子ができたら、
絶対プロ野球選手に育ててやるぞ!!」
その後ヒロシは、親戚の好意によって、
親戚の経営する会社に入れてもらいました
そして2人は、第2の人生を歩き出したのでした
ここで話は変わって、
マサコはタバコを吸っていました
始めたのは中学・高校からで、
ヒロシに反対されながらも、
やめることができず、今まで吸ってきました
ヒロシはといえば、
選手時代にはもちろん吸ってなかったタバコでしたが、
会社での付き合いの中で、自然に吸うようになり、
今では1日で8〜10本吸うまでになりました
そんな生活を送っていた彼らでしたが、
ようやくマサコのお腹に、妊娠が確認されました
これに一番喜んだのは、ヒロシでした
ヒロシは第2の夢に、大きく胸躍らせていました
するとマサコが、
「女の子だったらどうするの?」
と言うと、
「野球なんてしてくれなくてもいいさ。
僕らの子じゃないか。
ただ、愛情を持って、大切に育てればいいんだよ。」
と言いました
しかし、現実はそう上手くいきませんでした
早産でした
原因は確かではありませんが、
妊娠中にもマサコがタバコをやめられなかったことが原因では、と考えられました
子供は女の子
痙直型の脳性麻痺により、歩行障害を持っていました
そして彼女は、一生、車椅子で生活することを余儀なくされました
それを知った2人は、愕然としました
しかし、「障害を持っても、自分たちの子には変わりない
この子には幸せに育ってほしい」と願いを込めて、
その子は『サチエ』と名付けられました
こうして念願の子供を授かったわけですが、
2人の心の中には、何か、消えないシコリが残っていました
それから約半年後、
医者の口から突然、もう一つの重大な事実を知らされました
「サチエさんが生まれたときから分かっていたことだったんですが、
マサコさんの体は、タバコで侵されています。
もう、その体では、2度と子供を産めないかもしれません。
精一杯、その子を育ててあげてください。」
それを聞いて、2人はまたも大きなショックを受けました
いや、最もショックを受けたのは、ヒロシの方でした
彼はふさぎこみ、
第2の夢が断たれたこと、
タバコが原因だったこと、
ただ残された、歩行障害を持ったサチエのこと、
3人の将来のこと、
それらが頭の中でグチャグチャに回っていました
それはいつまでも治まることはなく、
ただ、タバコを吸っていないと、気が狂いそうでした
あまりに悩み続けるヒロシを見て、マサコは、
「そんなに悩むことはないわ。
あなたも言ったじゃない。
ただ、この子を、
愛情を持って、大切に育てればいいんだって。」
するとヒロシは、
「うるさい!!!
お前のタバコのせいでこんなことになったんだ!!
俺の夢はどうしてくれるんだ!?
コイツの面倒は誰が見るんだ!?
俺はこんなヤツ、自分の子供なんて認めない!!
絶対に認めないぞ!!!」
そう言って、以後の育児を全て放棄しました
(長くなるので後半に続く)