第7話「カオリちゃんと遭遇」
| ・・・俺はまたいつものように、 行く当てもなく街をぶらついていた |
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| 中島に言われてから、仕事を探そうと考えたが、 何をすればいいのか、 何ができるのか、 何がしたいのか、 ・・・何も分からない |
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| 街は『若者たち』で溢れている この時代の急速な流れに順応できない、 現代が生んだ『はみ出し者たち』 結局俺も、そのうちの一人なんだろうか・・・ |
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| はー 俺はどうすればいいんだろう |
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| あれ、磯野くん? |
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| え、 か、カオリちゃん? |
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| やっぱり磯野くんね 久しぶりだから一瞬誰かと思ったわ 背伸びたわねー |
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| マジかよ 一番会いたくないときに限って・・・ |
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| ああ、カオリちゃんこそ すっかり女のコっぽくなっちゃって |
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| そう? |
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| ホントは、全然変わってないよ あの頃と、何にも変わってないよ |
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| こないだ花沢さんから聞いてたのよ、磯野くんのこと 街でバッタリ会ったって |
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| 化粧が濃くなっても、 香水の匂いがきつくても、 そんなことは関係ない どこも変わっちゃいない |
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| 背が伸びてて体が大きくなってるけど、 今でもまだボウズ頭だって聞いてたから ホント、その通りだったわ |
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| この薄高い声も・・・ |
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| ・・・・・・ ねぇ 聞いてる?磯野君 ボーっとしちゃって |
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| ・・・あ、 ああ、聞いてるよ |
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| 何か元気ないみたいね 昔はあんなに元気だったのに |
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| そうでもないよ |
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| ・・・そうでもないのか?・・・ |
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| 聞いたと思うけど私は花沢さんと一緒の大学行ってるのよ 磯野くんは・・・ フリーターだったっけ? |
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| ああ、そうなんだ 仕事探してるんだけど、なかなかなくって |
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| そうなんだ この景気だから、大変ね |
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| ・・・あぁ・・・ |
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| ・・・大変なのか?・・・ |
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| ねぇ、花沢さんも言ってたと思うけど、 今度合コンでもしない? |
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| いいねー やろうよ |
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| ・・・本心か?・・・ |
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| じゃあ連絡取れるように、 ケータイの番号教えといて |
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| え、 ああ、いいよ |
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| ・・・あ、ゴメン! ケータイ、ウチに忘れてきたんだった |
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| ・・・そのポケットに入ってるものは?・・・ |
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| そう、しょうがないわね それじゃ何か予定とか決まったら、花沢さんから連絡してもらうわ |
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| ああ そうしてもらおっか |
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| あ、そろそろ講義に行かなきゃ じゃまた今度ね、磯野くん 合コン、楽しみにしてるから |
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| ああ またね |
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| ・・・・・・ |
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| ずいぶんなもんだ 適当なことばかり言って ケータイ?ここにあるじゃないか? 仕事?探してもないじゃないか? |
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| 俺が『はみ出しもん』だって? 不景気だからしょうがないって? 違う そんなんじゃない 未だに変わろうとしないってことは、 結局今のままでいいんだって、心のどっかで思ってるんだ はみ出しきれてもない、ただ中途半端なだけ |
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| 動き出すのが面倒で、息苦しくて、 「動きたい」って感情よりちょっとだけ強いだけなんだ |
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| 「変わらなきゃ」じゃない 「変わりたい」なんだ じゃないとこのまま、腐っちまうよ |
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| ワカメでーす マジ最近ムカつくことばっかなんだけどー |
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| あー、ムカつくー 何か楽しいことないのー? 次回は「アナゴさん」って? そんなのカンケーないしー マジムカつくしー |
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