第9話「アナゴさんA」
| ・・・昔は母さんも店を手伝ってたんだが、母さんは病気がちでね |
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| ・・・母さん・・・ |
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| あんまり大きくない店だし、金もそんなにないから、 それからオヤジはずっと一人で店を切り盛りしてたんだ それで体に無理が起きたんだろうな・・・ |
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| ・・・それでオヤジが倒れたって聞いて、 僕は会社を辞めたんだ オヤジが動けない間、僕が店を手伝おうって思って |
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| ・・・・・・ |
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| そしたらオヤジは、「お前みたいな若造に、寿司を任せれるか!」って、 医者に無理言って、すぐ退院させてもらったんだ |
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| 僕も寿司屋の子だからある程度は握れたんだけど、 それでもオヤジに言わせたら全然なってないらしくてねぇ しばらく握らせてくれなかったんだ それから僕は修行の日々だよ |
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| 朝は仕入れがてら、目利きの修行、仕込み 昼から夜まではオヤジの手伝い、その間オヤジの技を見て盗まないといけない そして夜中はオヤジに怒鳴られながら、ひたすら寿司を作った |
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| 正直こんなに寿司屋が辛いとは思わなかった サラリーマンやってた方が、どんなにも楽だったか |
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| ・・・・・・ |
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| そんなある日、オヤジがまた倒れたんだ ガンが再発したとかで |
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| 今回はただ事じゃないのが分かったんで、 僕も病院でずっと、意識が朦朧としてるオヤジのそばにいたんだ そしたら医者は、遺族を呼んでくれとか言ってね もう終わりだって分かったんだ |
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| そして兄弟たちが見守る中で、オヤジはもう最後だと分かったのか、 僕に話しかけてきたんだ |
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| ・・・そう言うと、オヤジは笑いながら息を引き取ったんだ |
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| ・・・・・・ |
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| ・・・・・・・・・ |
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| ・・・それから6年ぐらい経つかな? ここまで何とかやってきてるよ 辛いこととかたくさんあったけど、 あの修行に比べたら大したことなくてね |
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| ・・・・・・ ・・・何か辛気臭い話になってしまって申し訳ないな |
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| いや、僕が頼んだことじゃないか でも、いつ聞いても胸に来るものがあるよ |
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| カツオ君、どうだったかい? |
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| ・・・・・・ ・・・僕・・・ |
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| ここで働かせてください!!! |
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| えっ!!! |
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| か、カツオ君!!? 僕はそういう意味で話してもらったんじゃ・・・ |
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| 僕、自分の未熟さを痛感しました ここで鍛えて直してください!! |
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| で、でも、そんなにいきなり決めなくてもねぇ・・・ |
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| どうせ僕には資格もないし特技もないし、頭も悪いから、 どの仕事についても初めは同じです それだったら、自分がやりたいって思った仕事、 やりがいがある仕事をやりたいと思うんです |
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| 何より、僕はここで働きたいって思いました こんなこと思ったのは、今まで職を探してきたけど、初めてです |
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| どうか、ここで働かせてください!!! お願いします!!! |
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| ・・・カツオ君・・・ |
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| ・・・・・・ |
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| 寿司の修行はきびしいが、 本当について来れるか? |
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| 血を吐いてでもついていきます!!! |
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| 見込みがない様なら、 すぐにでも辞めてもらうぞ |
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| はい、頑張ります!!! |
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| よし、分かった!! じゃあ今日からカツオ君は、 寿司屋「穴八」の店主アナゴの、一番弟子だ!!! |
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| ありがとうございます!!! |
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| カツオ君、よかったね これから大変だろうけど、がんばって 僕も応援するから |
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| ありがとう、マスオさん |
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| やろう ここでやらなければ、 ここで逃げてたら、 俺は一生変われない |
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| サザエです 最近めっきり寒くなってきましたね |
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| それにしてもウチの夫は、 今日も夜中までどこほっつき歩いてるのかしら ま、わたしには関係ないことですけどね 次回は「不審なタラちゃん」って? どういうこと? |
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