第10話「不審なタラちゃん」
| あれから俺は、アナゴさんとの約束通り、 辛いながら、寿司屋の修行を続けていた |
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| ほら、カツオ君!! こっちのお客にあがりお出しして!! |
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| はいっ!! |
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| それが終わったらシャリ用意してよ!! ちゃっちゃとしなきゃ、お客さん帰っちゃうよ!! |
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| はいっ!! ただいま!! |
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| 修行は思っていた以上に大変だけど、 何故か俺は、へこたれることもなく続けていた |
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| 毎日毎日、雑用のようなことばかりだけど、 少しずつ知識も増えてきて、 形だけなら寿司も握れるようになってきた アナゴさんに見つかると、『まだ早い!!』って怒られるから、 閉店後、隠れてこっそり練習している |
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| そんなこんなで最近は、一日が寿司屋だけで終わってしまう 普通の若者から見たら、こんな生活、辛いだけで面白くもなんともないのかもしれないけど、 俺は、何もなくて、無気力だったあのときより、少し充実しているのが分かった |
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| ・・・そんなある日・・・ |
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| ピリリリリ・・・ピリリリリ・・・ |
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| 電話? 誰かしら・・・ |
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| はい。磯野です |
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| あ、磯野さんのお宅ですか? こちら、カモメ第3小学校でタラオ君の担任をしております、Y村と言います |
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| あ、どうも。お世話になっています で、どんな御用で? |
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| えー、タラオ君のことなんですがねぇ 先日美術の時間に、みんなで動物の絵を描くことがあったみたいなんですが・・・ |
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| はい |
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| えー、タラオ君だけですねぇ。 ちょっと変わった絵を描いたみたいなんですよ わたしは直接見たわけじゃないんですけどねぇ・・・ |
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| え、どんな絵なんですか? |
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| えー、まーあんまり好ましくない絵だったようでですねぇ 美術の先生がそのことを質問しても、何も言わなかったらしくですねぇ・・・ さらに問い詰めると、ビリビリに破いて、焼却炉で燃やしちゃったとかなんとかで・・・ |
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| そ、そんなことが・・・ |
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| えー、まーそんなこともあってですねぇ 最近タラオ君に何かありませんでしたかねぇ? 変わったこととか・・・ |
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| い、いえ・・・別に・・・ |
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| えー、まーそれでは一度ですねぇ、わたしが磯野さんのウチに伺いますから、 タラオ君と3人で少しお話させてもらえないでしょうか? |
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| は、はい・・・分かりました・・・ |
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| えー、じゃー後日、伺わせていただきますんで・・・ |
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| スミマセン・・・結局その絵とは・・・ どういった絵だったんですかね・・・? |
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| えー、まー何と言ったらいいですかねぇ・・・ んー、少し言いにくいんですがねぇ・・・ |
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| 首のないネコとか何とか・・・ |
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| えっ!!? |
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| マスオです シャケじゃありません |
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| あー、課長に連れられて行った、あのゲイバー すっごいよかったなぁー うん、すっごい、すっごいよかったの 次回は「不審なタラちゃんA」らしいけど、どういうこと? でもそんなことより、すっごいよかったのよ |
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